最近では女性でも、ホルモンバランスが崩れて、あごからヒゲが生えるなど女性の「男性化」が話題となっていますが、実はこの変化は髪にも現れ、女性男性型脱毛症(FAGA)と呼ばれています。
FAGAの症状は
AGAは男性型脱毛(Androgenetic Alopecia)のことで、男性ホルモン由来の脱毛症のことです。FAGAは女性男性型脱毛症(Female AGA)とも言われ、AGAの女性版になります。
男性型脱毛(AGA)では、髪の生え際や前頂部が薄毛もしくは脱毛がみられます。一方の女性型脱毛では(FAGA)でも、髪の生え際や前頂部の髪の毛が細くなり、薄毛になることはありますが、男性型と異なり脱毛部と発毛部での明確な境界線がないのが特徴です。
また、びまん性脱毛症と呼ばれる、頭部全体の髪の毛が薄くなることもあります。
FAGAの原因
FAGAの主な原因には、女性ホルモンのバランスの乱れ、男性ホルモンが優位になること挙げられます。女性の体からも、割合は少ないですが、男性ホルモンが分泌されており、体の機能を保つのに役立っています。
男性ホルモンが原因で脱毛症になるのはなぜ?
男性ホルモンであるテストテロンが血液を介し、毛根に入り込むと、毛の細胞分裂を妨げることで、発毛が上手く行かなかったり、ヘアサイクルが乱れることで、脱毛症となります。男性ホルモンが毛根に影響を与えるか否かには、遺伝が関わっています。毛根に男性ホルモンの受容体があるか否かで、AGAまたはFAGAになるのか決まると言われています。
反対に女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、髪の成長を維持する働きがあります。一般的に女性の体は、女性ホルモンが優位となっているので、髪の寿命も4~6年と男性の3~5年に比べて長いものになっています。また、FAGAになった場合も、男性のように毛のある所とない所がはっきりした症状が現れることは少ないとされています。
FAGAの原因となる女性ホルモンのバランスも乱れの原因には、生活習慣の乱れや過激なダイエットなど多岐にわたります。特に、女性ホルモンの分泌が少なくなる、更年期や閉経後の女性にみられることが多くなります。
FAGAの治療法は?
男性型脱毛(AGA)の治療の一つに、フィナステリド(プロペシア)と呼ばれる、男性ホルモン抑制剤が内服があります。もともとは男性ホルモン分泌過多による前立腺の病気に使用されていましたが、フィナスナリドを内服により、発毛の二次効果があったことから、男性の薄毛の治療薬として使われるようになりました。
女性型脱毛(FAGA)でも、同じ薬が使える?
FAGAは男性型脱毛の女性版ということから、FAGAにも男性の薄毛治療薬であるフィナステリドがFAGAにも使えると思ってしがいまちです。残念ながら、FAGAにはフィナステリドは使えず、女性にとって禁忌の薬となっています。
特に、妊娠中の女性がフィナスナリドに触れると、成分が皮膚から浸透し、お腹の中の胎児に影響を及ぼす可能性があるので、注意が必要です。
その他、男性型の薄毛治療で行われている治療法が、FAGAなどの女性型の薄毛に逆効果となることがあります。
女性男性型脱毛(FAGA)にはパントガール
FAGAを始めとする女性型の脱毛症には、パントガールという治療薬を使われます。パントガールについて詳しく知りたい方は、こちら(別項)を参照にしてください。
まとめ
女性男性型脱毛(FAGA)は女性ホルモンが乱れることで、男性ホルモンが優位になることでなる、遺伝の影響を受ける脱毛症です。症状は男性ほど明確なものではありませんが、女性で悩んでいる方も多いと思われます。当クリニックでは、女性専門の薄毛に対する治療を行っているので、ぜひご相談にいらしてください。